強い憤りを感じます

先日からニュースになっている、受精卵取り違え問題。

■不妊治療中の夫婦に対し、誤って別の患者の可能性が高い受精卵を移植。

■卵を操作する時に、一人の患者の卵の操作が終了するまでは次の患者の卵の操作を行ってはいけないのに、終了しないまま次の患者の卵を操作していた。

■作業台に複数のシャーレ(培養容器)を並べた際に、先に置いてあった別の患者の容器のフタを捨てていたことが分かった。
患者の名前が書かれたシールはフタに張られているだけで、容器本体に識別できる手掛かりは無かった。
(一般的に体外受精を実施する施設では、ミス防止のために容器を色分けしたり、フタと本体の両方に名前を書くなどの対策が取られているそうです)

■卵を操作するのに、ダブルチェックを実施していなかった。

■日本産科婦人科学会の倫理規定で、昨年4月、胎児にも妊婦にも影響が大きいとされる多胎妊娠を防ぐため、倫理規定を改定して受精卵の移植は原則1個、35歳以上などには2個との見解を出した(2回以上続けて妊娠不成立であった女性については2胚移植を許容する)
とあるのに、この病院では、本人のものを含む3個の受精卵を移植していた。
(2段階胚移植をし、1回目の胚移植時は本人の受精卵2個、2回目の胚移植時に別の患者の可能性が高い受精卵1個)

■別の患者の受精卵で妊娠した可能性のある20代患者に、取り違えの可能性があると説明するまでに、病院側が計4回の会議を開いていたことが分かった。

■この病院だけでなく、操作マニュアルを準備していない施設が多い。

別の患者さんの受精卵を移植され、中絶した20代の患者さんもかわいそうだけれども、受精卵の主であった40代の患者さんもかわいそうです。
自分の子供になっていたかもしれない受精卵の命を奪われたのですから。
それに、30代後半になってくると、卵子の質が落ちてきたり、卵子が出来にくくなってきたりと、1個の卵子にかける思いが特に強くなってきます。
40代の女性は「残念ですが仕方ないですね」というコメントしか出していないようですが、ようやく採れた1個の卵子だったかもしれません。

ここからは、私の経験です。
ステップアップして体外受精を受けることになった時点で、同意書を書かされました。
その同意書とは、分かりやすく言うと、「胚移植した受精卵で妊娠した場合、自分達の子と認める」というもの。

患者は、採卵した卵子を見ることはできません。
一般体外受精の場合、採卵後、卵子は培養液の中で、選び抜かれた優秀な精子達と一緒になり、自然に受精するのを待ちます。
そして受精卵になり、2分割、4分割…と分割が進み、子宮の中に受精卵を戻す「胚移植(ET)」の日になって初めて、患者は手術室の大きなモニターに映し出された、愛しい受精卵を目にすることができます。

だから、採卵から胚移植までの病院側の処理において、患者は精子にも卵子にも、受精卵にも会えないので何も確認できることはなく、先生や培養士さんを信用しなきゃいけないし、モニターに映し出された受精卵は、自分達の子供に絶対に間違いない!
と信じなきゃいけない訳です。

どうして、分かった時点で、判定日前に、一日でも早く、移植された患者さんに説明しなかったのでしょう。
あってはならないミスです。

事故にならないだけで、「ヒヤリ」とした経験は多くの医療機関にあります。
私は医療事務の仕事をするようになってから、私は直接医療行為に携わることは無いけれども、「ヒヤリ」とする場面は何度も見てきたし、自分が不妊治療をしてきた病院でも先生の指示ミスや注射等の打ち間違いをされそうになったことが何度かあります。
自分に子供が出来ても、この先生にだけはコワくて、絶対に診てもらいたくない!と思う先生もいました。
なのに、なぜか患者さんが多いのには不思議でした。

そういうことを経験して、完全に先生や病院に治療を任せきりにするのではなく、自分でもある程度の知識を得るために勉強し、先生や看護師さんにも自分の意思をしっかり伝えるようにしていました。
おかしいのでは?と疑問を持った時は再度確認してもらったりして、ミスを逃れたこともあります。
だから、先生や看護師さん達にとって、私はうるさい患者だったかもしれません。

でも、人間だから勘違いすることだってあります。
だからこそ、最終的に、自分のことは自分で守らなきゃいけないな、って思います。

そのおかげで!?
今までの経験や知識は、今も自分の中で確実に活かされています。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

home salon or*angel

千葉県松戸市五香(「五香駅」から徒歩8分)

open: 9:00~17:30(受付9:00~16:00)

closed: 毎週木・日曜日、不定期で土曜日

◎完全予約制

PAGE TOP